
准胝観音(じゅんていかんのん)様は、観音菩薩の一つの姿で、仏教における多様な観音信仰の中でも特に密教で重視される存在です。准胝観音様は、女性的な容姿を持ち、多くの手を持つことが特徴で、特に衆生の救済や現世利益を司るとされています。準胝観音または準提観音、准胝仏母とも呼びます。
日本の真言宗では変化観音とされており、真言宗系では「六観音」の一尊で、天台宗系では観音ではなく仏母とされています。
お姿から、しばしば千手観音様と間違われています。
真言は「おん しゃれい それい そんでい そわか」
准胝観音の概要
- 名前の由来
「准胝」という名前はサンスクリット語の「Cundī(チュンディ)」に由来し、意味は「純潔」や「清浄」を表します。そのため、准胝観音様は清らかさや純粋さの象徴ともされています。 - 特徴
- 准胝観音様は、十八臂(じゅうはっぴ)、つまり18本の手を持つ姿で描かれることが多いです。
- 手には様々な法具(仏教的な象徴物)が持たれ、それぞれが特定の願いを叶えたり、災難を防ぐ力を持つとされています。
- しばしば蓮華(れんげ)の上に座る姿で表現される。
- 役割とご利益
- 現世利益の観音
准胝観音様は、現世での利益(健康、長寿、災厄除け、子授けなど)をもたらす菩薩として信仰されています。 - 智慧と悟り
准胝観音様は、修行者が智慧を得て悟りに至る手助けをすると信じられています。
- 現世利益の観音
准胝観音様の信仰と歴史
- 密教での重要性
准胝観音様は、中国や日本の密教(真言宗や天台宗など)で特に重要視されています。密教の経典である「准胝経」には、准胝観音様の功徳や真言(マントラ)が説かれています。 - 中国での広まり
中国では、准胝観音様は観音菩薩の一形態として広まりました。特に女性的な優しさや慈悲深さが強調され、人々から親しまれるようになりました。 - 日本での信仰
日本でも准胝観音は古くから信仰されており、寺院や仏像として祀られることがあります。主に密教の寺院で見られ、祈りの対象として大切にされています。
准胝観音様の仏像と絵画
- 准胝観音の仏像や絵画は、女性的な優美さが表現され、18本の手それぞれが法具を持つ姿が一般的です。
- 蓮華座に坐り、穏やかな表情で衆生を見守る姿が多くの人々の心を引きつけます。
香川県における准胝観音様の意義
香川県の准胝観音信仰は、仏教の深い歴史と地域文化の中で発展してきたものです。特に観音信仰が根強い四国八十八箇所の背景を通じて、准胝観音様は現代でも多くの人々に親しまれています。准胝観音様の慈悲と救済の力は、巡礼者や地域住民の心を支え続けています。
准胝観音様は、観音菩薩の中でも特に現世利益や清浄な力を象徴する存在です。その慈悲深い姿と多彩なご利益から、密教を中心に広く信仰されています。現世での悩みを解決したい人や、清浄な心を目指す人々にとって、准胝観音様は力強い助け手とされています。